昔から愛用されてきた万能植物油・ハッカ油の取り入れ方
「ハッカ」と聞いて、何を思い浮かべますか?
ハッカキャンディのスッとした味は清涼感が欲しいときにうれしいものですが、「ハッカ油」として家庭に置いておくと、さまざまな使い道があります。今回はハッカ油の使い方についてお伝えします。
肌に直接つけて制汗、リフレッシュ
ハッカ油といえば、日本で一番有名なのは北海道は北見ハッカの「ハッカ油スプレー」かもしれません。雑貨店でもよく見かける、ペパーミントグリーンのあの箱ですね。
コロナ禍では、このハッカ油スプレーをマスクにシュッとひと吹きするとリフレッシュできると話題になりました。目にかからないように注意が必要ですが、制汗用として肌にも直接使え、気分転換にも便利。夏に開きがちな毛穴を引き締める効果もあります。
鼻詰まりや頭痛が辛いときに鼻の横や肩、首筋、こめかみにつける方法もあり、強い清涼感から眠気覚ましにも使えます。
暑い時期は襟元にスプレーしておいたり、熱中症対策の冷えタオル作りにも。濡らした冷感タオルにハッカ油をスプレーするのもおすすめです。
またうがい薬を買わなくても、水に垂らしてうがいすれば口臭予防、リフレッシュになりますよ。
清涼感ある香りを、いろんなシーンで楽しむ
爽やかなハッカの香りは、気分をリフレッシュさせるのに役立ちます。少量なら口に入れても大丈夫なので、紅茶に数滴垂らせば即席のミントティーに。
また寝苦しいときに枕元にスプレーすれば、爽やかなナイトアロマとして使えます。車内などのこもった匂い対策にも便利です。
アロマ加湿器に入れれば、お部屋が爽やかなハッカの香りに満たされます。乾燥が気になる季節には、枕元に濡らしたタオルをかけて湿度を上げる方法がありますが、そこにハッカ油をスプレーしても。
お手洗いの後の消臭にひと吹きすれば、後から使う人への気遣いになりますね。小さなスプレーをお手洗いに常備しておいてもいいかもしれません。
ハッカ油でクールなお風呂タイムに!
夏場のおすすめは、ハッカ油を垂らしたハッカのお風呂。爽やかな香りが楽しめるだけでなく、湯上がりに汗が引くようなクールなひとときを過ごせます。専用の入浴剤を買わなくても、ハッカ油で代用できちゃいます。
シャンプーに少し混ぜれば、夏場に床屋さんでやっているクールシャンプーが自宅でも再現。抗菌効果があるので、頭皮の匂いが気になる方にもおすすめです。またボディソープに入れると、爽快感のある洗い上がりを楽しめるだけでなく、こちらも抗菌消臭効果で汗の匂いや加齢臭対策としても。
安全安心なハウスクリーナーや虫除けとしても、ハッカ油が味方に
そしてぜひ、掃除にも使ってみてください。カビ予防効果、消臭や殺菌効果もあり、掃除にはぜひ活用してほしいアイテムです。ハッカ油は、安心安全なハウスクリーナーになるんです。
床拭きに濡らした雑巾にハッカ油を垂らすと、部屋に爽やかな香りが広がり、掃除中もリフレッシュ。面倒に感じる雑巾掛けも気持ちよくできそうです。
天然成分で口に入っても安心なので、小さいお子さんやペットがいる家庭でも気兼ねなく使えますね。
また虫や小動物はハッカの香りを嫌うので、天然の虫除けとして散歩やキャンプのお供にもおすすめ。
体に直接つけるだけでなく、網戸などに吹きかけておくのも効果的。テントの入口などにもシュシュっと使ってみてください。
メントールが「線毛」の動きを活発化してくれる!
香りやさまざまな効能で生活のあらゆるシーンで役に立ってくれるハッカ油。実は科学的にもその効果が証明されています。
ハッカに含まれるメントールが、線毛の働きを活発化してくれる作用があるんです。線毛は、鼻から喉までの粘膜に生えている細胞。1秒間に15〜17回程度波打つように動いていて、それがいわゆる「線毛運動」です。
この働きによって、ウイルスが咳やたんと共に排出されたり、唾液と一緒に飲み込まれて分解されます。髪の毛よりはるかに細いこの細胞がとても大きな働きをしていて、線毛運動によって、私たちはウイルスから体を守っているんです。
線毛細胞は乾燥や寒さに弱いため、冬場は働きが弱くなり風邪を引きやすくなります。線毛細胞の働きをアップさせてくれるというメントール、風邪やインフルエンザが気になるシーズンにも、ぜひ積極的に活用してみてください。
このように、まさに「万能」と言っていいハッカ油。高価なものではなく手に入りやすいのも魅力です。ぜひ家に一つ、取り入れてみてはいかがでしょうか?
<プロフィール>
有馬美穂
ライター。2004年早稲田大学卒業。『VERY』をはじめ、さまざまな雑誌媒体等で主にライフスタイル、女性の健康、教育、ジェンダー、ファッションについての取材執筆を行う。